トラウマ、trauma
もともと体の傷を意味した言葉。
精神科医、ジークムント・フロイトが心的外傷をトラウマという言葉で表現したため、
今では体の傷ではなく、心の傷を意味することが多くなりました。
心的外傷後ストレス障害(しんてきがいしょうごストレスしょうがい、Posttraumatic stress disorder:PTSD)は、
心に加えられた衝撃的な傷が元となり、様々なストレス障害を引き起こす疾患のことです。
このPTSDに対して、PTGという言葉があります。
Posttraumatic Growth 「ポスト・トラウマティック・グロース」。
人生における大きな危機的体験や非常につらく大変な出来事を経験し、心の葛藤を経て、
むしろ、そのつらい出来事からよい方向へ心の成長を遂げることを意味します。
トラウマが心を成熟させるのです。
今夜は矯正治療の失敗についてまた書きます。
矯正に限らず、医療行為は全般的に、トラウマティックであることが多いのですが・・・。
無計画に急いだ矯正治療は、暴力的な力となってトラウマを引き起こします。
下の前歯の根の先に影が見えます。
歯の根も短く吸収しています。
実はこの歯の神経は死んでしまいました。
死んだ神経が腐って化膿しています。
虫歯も何もない健康な歯でした。
神経を抜くしかありません。
そもそも設計、診断のミスです。
非抜歯で矯正できないのは一目見て僕でもわかります。
これではきれいな歯並びになりません。
無理な力をかけすぎです。
反対側の下の前歯は骨から外れかけています。
写真左端の歯の神経もダメになりそうな予感がします。
次の方の上の前歯にはいったいどれだけの力を与えたのでしょう。
写真真ん中右の歯の根はボロボロに吸収して、
シロアリに食べられた家の柱のようになっています。
抜歯してインプラントするには、ブロック骨移植、歯肉移植が必要です。
こんな感じに骨移植が必要です。
歯茎も感染で溶けてしまったので、上顎から歯肉を切り取って移植しないといけません。
きれいに歯は並んでいるのですが・・・。
体の傷という意味でのトラウマに対して、
矯正治療においてはPTG・ポストトラウマティックグロースなんてありません。
取り返しはつかないのです。
だから慎重に、矯正治療をする病院と先生を選んでください。
どうか慎重に・・・。
ジークムント・フロイトが唱えた「抑圧された記憶」という概念。
トラウマを受けた心が、自分を守るために、原因となっているストレス記憶を心の奥底に封印してしまう現象をいいます。
これは催眠などによってその記憶をよびもどせるもので、その点において健忘とは違います。
呼び戻された記憶を「回復記憶」といい、
この回復記憶が現実に起こったことと違うことが多く、その点でフロイトは多くの批判を受けました。
しかしながら「抑圧された記憶」と抗ストレスホルモンであるコルチゾールとの関係が証明され、やはりこの説は正しいと考えられるようになりました。
忘れられるものなら心の奥底に沈めておきたい記憶、
誰にでもあります。
僕ら医療に携わる人間はそういった記憶を忘れずに傍らに置いて、それを戒めに日々を過ごすのです。
不感症になっていくより、その方がまだいい・・・。
人を傷つけたという思いが、僕らを成熟させてゆくことを願って。
最近、更新されてないんですね。
こんな診察もやってるのか。こんな患者もいるのか。
それに先生の考え方始め、この医院のことが分かるので、
ブログを楽しみにしています。
初めまして、りんごです。私は歯列矯正してから不定愁訴に悩み、こちらのブログにたどり着きました。
写真を拝見しただけで胸が痛ましいです。医師も人なので完璧を求めてはいけないと思いますが、医療によっておける悲劇は起こらないでほしいと切に願います。
そして貴方のような誠実で優しく芯の強い方は治療を受ける側からすれば最良ではありますが、どうかご自身の心も大切になさってください。
初めまして
ヒドイ酷すぎます
こんな治療をする歯科医師がいるなんて!!
りんごさん私も不定愁訴に悩んでいます
歯列矯正は危険です。