この前のオペは老紳士の顎骨腫瘍の摘出でした。
別の病院では、入れ歯の調整をずっと続けていたらしい。
僕は何か違和感を感じてCTを撮影した。
顎骨に何かある。
高齢で心臓に持病があってペースメーカーが入っていた。
生体モニターがしょっちゅうアラームを鳴らす。
心拍が安定しない。酸素も下がって危ない状態だ。
「ペースメーカー、ちゃんと仕事しろよ!」、思わずつぶやいてしまった。
ご家族はオペが終わるまで全員で待っていた。きっと良い家族なんだろうな。
オペの最中、ご家族に入ってもらう。
「血液を見ても大丈夫な方、入ってください」。
ご家族は露出した顎骨の中の腫瘍を確認してくれた。
無事に腫瘍を摘出して、腫瘍をホルマリン漬けにして。
それを病理組織検査に提出しなくてはいけない。
それが一週間前の出来事で。
季節の移ろいはとても早い。
この間まで花を咲かせていた木も花を落とし、新緑を芽生えさせる。
駅前は春の花が咲き乱れている。
そんな日曜日の今日、うれしい知らせが届いた。
「悪性所見みられず」。
なにより重く、大切なことば。
だから僕は機嫌が良い。
今日、診療が終わってコンビニに寄った。
そこで僕はバックで急発進した車にはねられてしまった。
とっさに後ろバンパーにサイドキックを入れ、横に飛び、後部座席のドアに後ろ回し蹴りを入れて難をのがれた。
追突されたと勘違いした運転手は激怒して下りてきた。
人をはねたことに気づくと青ざめていた。
きっと普通の人っだたら、悪くすると死んでいたんだろう。
僕は「もう人をはねちゃだめですよ」そう言ってコンビニに入っていった。
今日、僕は機嫌が良い。
「悪性所見みられず」。
良い知らせが届き良かったです。
今まで腫れを繰り返し痛みを我慢しながらの
生活が、これからは普通に美味しくお食事ができる事を
心から願います。
しかし…院長先生…
車にはねられたって‼
大丈夫ですか?!(◎_◎;)