歯の変色の原因は、加齢による変色、コーヒーや赤ワインなどの着色しやすい食品の摂取による着色、神経が死んでしまった場合の変色など、人によってはさまざまな原因があります。
患者様に一番効果的なホワイトニング剤、治療方法を選択することが重要です。
ホワイトニングには歯科医院で行うオフィスホワイトニングと、ご家庭で行っていただくホームホワイトニングがあります。
すぐに白さがほしい方にはオフィスホワイトニングがおすすめです。
ゆっくりと自然に自分のペースで歯を白くしたい方にはホームホワイトニングが適しています。
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを同時に行うと最も高い効果が得られます。
歯のホワイトニングが初めておこなわれたのは1844年です。ミョウバンを使用していたため、効果の高いものではありませんでした。
1877年には、アメリカの歯科医師により、歯の表面を酸で溶かして白くする方法が発見されました。
1918年になると、ホワイトニング剤に光を当てて白くする、現在のオフィスホワイトニングの原型となるものが開発されました。
ホームホワイトニングは、1968年に過酸化尿素を使用した現在の原型となるものが開発されました。
歯が白くなる仕組みは、歯の表面に乗せたホワイトニング剤に含まれる過酸化水素水が、光により活性酸素を迅速にそして大量に生成。この活性酸素がエナメル質に浸透し、シミや着色の原因になっている分子を強力に分解してくれます。
その結果、自然な白い歯を、たった一時間程度で手に入れることができます。
ホワイトニング剤の濃度が高いほど効果がありますが、同時に、エナメル質の脱水症状と考えられる「痛み」も強く出ます。
ホワイトニング剤(過酸化水素)が着色物質を分解すると同時に歯の中の水分バランスも崩し、一時的に脱水状態にすると考えられており、この状態が「疼痛感」を引き起こします。
そのため、急激に歯を白くするために濃度の高い薬剤を使用することはおすすめできません。
次に重要なのがどのタイプの光照射器を使うかです。
もちろんオフィスホワイトニング専用の光照射器であることが前提です。
虫歯治療に使う樹脂を硬化させる光照射器では効果は出ません。
第1世代 | 1991年から始まった H202と熱によるホワイトニング | |
第2世代 | ハロゲンランプの光によるホワイトニング | ビヨンド(ZOOMをまねて、中国のByond Dental&Health社が開発したホワイトニングシステム) |
第3世代 | アルゴンレーザーやCO2レーザーの光を利用するもの | |
第4世代 | プラズマアークライトやキセノンランプの光を利用するもの | スピードホワイトニング |
第5世代 | 1999 アーチ型プラズマライトの光を利用するもの | ブライトスマイル、ZOOM(ズーム)など |
第6世代 | LEDの光を利用するもの | LumaCool(ルマクール)、ピュール、コスモブルーなど |
ブライトスマイルや、アメリカでシェア1番のズームアドバンスは、急激に白くなるために、評判も良く、費用もかかります。
ルマクールやコスモブルーは3段階程度、ビヨンドやハイライトなどは2段階程度しか白くならないために、値段が比較的安いです。
ハロゲン | 効果は高い。強い発熱があるため歯の薄い日本人にはむかない。 ビヨンドは特許取得済みの特殊フィルターにより発熱をやや抑制。 |
メタルハライド(紫外線) | 効果高いが、非常に高熱で皮膚にあたると火傷やメラニンのリスクあり。 紫外線のため、歯肉や顔を日焼けさせてしてしまう。 |
LED | 発熱が最も少ない。光量はやや劣るため効果もキセノンに比べると劣る。 |
キセノン(プラズマ) | 効果は最も高い。強い発熱があるため歯の薄い日本人にはむかない。 機械が高いので治療費が高いことが多い。 |
高い効果を得るために、発熱量の多い照射器を使えば、歯の神経にダメージを与えてしまい強い痛みがでます。
特に歯の質の薄い日本人や女性は要注意です。
また若い方は歯の中の神経が大きいため疼痛が出やすいのです。
そのため現状ではLEDが最も痛みが出ずらく安全であると言えます。
オフィスホワイトニングが実用化されたのは1991年です。
日本の松風(しょうふう)という会社から、過酸化水素を使用した「ハイライト」という製品がアメリカで販売されました。「ハイライト」は歯に過酸化水素を塗り、ハロゲンライトを照射して歯を白くするものでした。
その後、ホワイトニング剤は改良され、照射方法もハロゲンライトからレーザー(レーザーホワイトニング)、プラズマ、キセノン、アーチ型(ビヨンド(ハロゲンライト)、ズーム・ブライトスマイル(プラズマライト)など)、LED(コスモブルー、ルマクール)へと進化していきました。
日本ではアメリカに遅れること7年、1998年にハイライトがホワイトニング剤として初めて厚生労働省に認可されました。認可はされたものの、当時はホワイトニングする人は少なく、大きく話題を集めることもありませんでした。
現在でもハイライトが日本で最も使用されているオフィスホワイトニングとなっています。しかしながら、20年前の古い製品ですので、アメリカではかなり前に販売中止となっています。
他には「ピレーネ」が三菱ガス化学より開発され、2006年に厚生労働省に認可されました。薬剤の濃度が低く、効果等の問題があり、ほとんど普及していません。
2009年までは、日本ではハイライトとピレーネのみが厚生労働省に認可されていました。
2010年11月20日より待ちに待ったホワイトニング剤「ティオン」が日本で発売されました。
ティオンは二酸化チタンを使うことで過酸化水素濃度は約23%と比較的低濃度でありながら、高いホワイトニング効果を実現した商品です。
今まではホワイトニング効果を高めるために、過酸化水素濃度を高くしなければなりませんでした。
その結果、歯の神経への刺激が強くなり、ホワイトニングをした後の強い痛みを引き起こしていました。
ティオンの発売によって、しみる・痛いホワイトニングから開放されました。
またティオンの発売に合わせて開発されたホワイトニング光照射器「コスモブルー」を使用することにより、さらに安全性とホワイトニング効果が高まりました。
効果的にはズームアドバンスと同程度ですが、ズームアドバンスより知覚過敏や痛みの発生は非常に少ないです。
欠点は松風ハイライトに比べ、ティオンの値段が五倍ほどするため、ホワイトニング料金が高くなってしまいます。
しかし今現在最もお勧めできるオフィスホワイトニングはティオンとコスモブルーの組み合わせです。
多数歯を一度に効率よく照射できるホワイトニングライトです。光源にはLEDを採用し発熱が少なく、やさしいホワイトニングを実現します。
フレキシブルに可動するヘッドとバランスアームにより、の口腔への位置付けが正確かつ簡単に行えます。
※ピーク波長:395~410nm
発生する熱が最も少なく、紫外線がほとんど出ないので、一番安全なホワイトニングシステムだといえます。
やはり日本人には日本製のものが合っているみたいです。
当院では安全性を一番に考え、最新型ホワイトニングシステムである「コスモブルー」を導入しております。
個人の歯にあわせて作成したマウスピースに、ホワイトニングジェルという薬剤を塗布して歯に装着します。
マウスピースの装着は1日2時間から4時間程度で、期間は2週間程度行います。
・来院1回目
・来院2回目
ホームホワイトニングは1989年に実用化され、アメリカの歯科医院での使用が始まりました。
オフィスホワイトニングの過酸化水素とは違い、よりゆっくりとやさしく効果の出る過酸化尿素がホームホワイトニングの成分です。
日本では、2001年に「ナイトホワイトエクセル」が初めてのホームホワイトニングとして厚生労働省に認可されました。
この時、アメリカではより改良された「ナイトホワイトエクセル3」(現在はさらに改良された「ナイトホワイトエクセルACP」)が販売されていました。製造中止となっていたナイトホワイトエクセルを日本で使用するために製造を再開させました。
2005年にナイトホワイトエクセルと同一成分の「松風ハイライトシェードアップ」、2006年に「オパールエッセンス」、2009年に「ティオン」が厚生労働省に認可されました。
アメリカでは15%、20%といった濃度の高いホームホワイトニングが使用されていますが、日本で認可されているホームホワイトニングは全て濃度が10%となっています。
ゆっくりと自然な白さが得られます。
マウスピースをつけている時間が長いほど歯が白くなります。
しかしマウスピースをしているときは気づきませんが、はずした後、数時間後にひどい痛みが出ることがあります。
あまり長時間の使用はお勧めできません。
ホワイトニングで知覚過敏が強くでる方は、短時間で長期間行う方がよいかもしれません。
痛みが出ない装着時間を知るために、少しずつ装着時間を延ばしていくようにしましょう。
ホワイトニングしている最中やホワイトニング後1週間は、手に入れた白い歯を持続させるために、歯に付着しやすい着色料が含まれた飲食物をなるべく口にしないようにしましょう。
例えば、コーラやコーヒー、紅茶の類は特に歯の表面に色素が付着しやすく、歯の表面の変色を促進するのでこれらは避けます。
ホワイトニング開始直後の初期の段階に、帯状の模様(ホワイトバンド)や白斑が生じる場合があります。しかしながらホームホワイトニングを継続して行うことで、ホワイトバンドや白斑は時代に目立たなくなります。
ピーリングとは、レーザーをあてたり、専用の薬液(フェノール)を使って歯肉(歯ぐき)に沈着したメラニン色素を除去し、ピンク色の歯肉にすることです。
ピーリングは、こんな方に最適です。
●薬液ピーリングの場合
2~3日後に施術した歯肉に薄い膜ができ、その膜が剥がれてきます。
それから1~2週間程度でピンク色の歯肉に変わります。
※ 色素沈着が強い方は、一度では完全に効果が出ないため、数回の来院が必要です。
※ 治療後は、個人差がありますがヒリヒリと痛む場合があります。
●レーザーピーリングの場合
2~3日痛みが少し出ます。痛み止めを飲んでもらいます。
1~2週間でピンク色の歯肉になります。
効果は薬液ピーリングよりかなり良いのですが、少し痛みが出るのが欠点です。